これまで学生ボランティアさんにフィーチャーしてきたコーナーをリニューアル!
今回は、初開催『スバルフェス』に協賛参加してくれた、社会福祉法人「ふたかみ福祉会」の山下さんと、
有限会社エイコー 代表の三原さんにインタビュー。
イベント参加のキッカケや当日を経て感じたことを振り返っていただきました。
さらには、福祉業界の未来について熱いメッセージも。
『第1回 ~みんなで楽しもう~ スバルフェス』
スバルの利用者さん、ご家族、スバルの本拠地でもある向野地域の方々を対象にスバルフェスを開催!
食べ物の出店をはじめ、体験コーナー、ステージ、またお世話になっている各事業所の方にも出店協力を頂き、参加者みんなで楽しめるお祭りを企画してみました。
開催場所:スバル本社(羽曳野向野2丁目6番18号)
開催日時:2024年10月14日
ふたかみ福祉会
山下 記永 さん
1982年生まれ、大阪府八尾市出身。
2006年社会福祉法人に就職後、ソフトウェア会社のSEを経て、羽曳野市で6つの事業を展開し生活介護・就労支援などを行っている社会福祉法人「ふたかみ福祉会」に入職。
現在は同法人の支援センターで主に初期対応を担当。“なかま”(利用者さん)からも慕われる柔和な人柄で、南河内の福祉界の頼れるアニキとして慕われている。
休日は色んな人との関わりを大事にするために出かけ、趣味はベースを触ることとお酒の飲み比べ。
有限会社エイコー
三原 祐太 さん
1987年生まれ、大阪府河内長野市出身。
京都短期大学卒業後、スバルでスタッフとして働いていた母が、独立し河内長野で立ち上げた「有限会社エイコー」に入社。
ガイドヘルパーなどの経験を積み、2018年に代表取締役に就任。介護福祉事業を6事業運営する。
地域活動として「みんなのマルシェ」など、障がいの有無に関わらず楽しめるイベントの運営なども積極的に行う。
休日は家族と出かけることが多く、趣味はドラマ観賞とゲーム。
初開催『スバルフェス』は、新しい地域の繋がりの場に
山下 社会福祉法人「ふたかみ福祉会」支援センターはるの山下です。
法人としてはグループホームや相談支援、ショートステイなど6事業ほどあり、僕は主に利用者さんから相談を受けて業者さんを繋ぐような初期対応を担当しています。
今回『スバルフェス』には、小林さんから「地域で共に盛り上げていけたら」とお声がけいただいて参加することになり、うちの事業で作っているクッキーやパウンドケーキ、ジャムなどを販売させていただきました。
三原 河内長野市にある有限会社エイコーの代表をしている三原です。
スバルさんと同じく法人で、訪問介護やショートステイ、生活介護・就労支援B型事業(障害や病気などで一般就労が難しい方が、就労の機会を得たり、就労に必要な知識やスキルを身につけたりするための障害福祉サービス)などを行っています。
今回は6年ほど前から仲良くしていただいている、山下さんに紹介いただいて参加させていただきました。
僕たちは任意団体で「みんなのマルシェ」というイベントを開催していることもあり、今回はそのマルシェの名義で参加して、「さをり織り(※1)」で作った商品を出店させていただきました。
※1
1969年に大阪で城みさをが始めた手織り法。伝統工芸的で職人技的な従来の手織りとは異なり、型がなく自由なことから、織物の中でも年齢、障がいを問わず誰でも簡単にできる織りとして親しまれている


山下さんと三原さんのご関係は?
三原 南河内のアニキですね(笑)。
山下 たまたま繋がって6年ぐらい、仲良くさせてもろてます。年は僕の方が上ですけど、業界は彼の方が先輩です!
スバルさんと一緒になってイベントに取り組むのは今回が初めてですか?




山下 初めてです。地域として開催されたイベントにいろんな事業所が参加する機会は今までもあったんですけど、1社の呼びかけというのはこれまでなかったので、すごく刺激を受けたし、楽しみに参加させていただきました。
三原 僕も初めてなんですけど、実はスバルさんとは個人的な縁があって。
「エイコー」は母が立ち上げた会社なんですけど、母が独立する前に働いていたのがスバルさんなんです。
羽曳野でスバルさんがされているガイドヘルパーの事業を、僕たちは河内長野でやらせていただいていて、数年前にスバルさんが行っていたスキー合宿には僕もガイドヘルパーとして参加させてもらっていたり。
それからしばらく関わりがなかったのですが、今回こうして初めて一緒に取り組めたので個人的にはとても嬉しくて。


山下 お声がけいただいた時は、「普段とちゃうこと・新しいことトライするんやったら乗っかってみたい!」と思ったんですよね。
好奇心もあるし、これから回数を重ねて精度を上げていきたいとも最初から思っていたので、いろんな意味で一緒に作っていきたいなと。
複数の事業所が集まって、相乗効果でなにができるのかなって、期待感とワクワク感を持って参加しました。
今回はうちで仲間(利用者さん)と共に作っているクッキーを販売させてもらったんですけど、みんな頑張っていいものを作ってるのでもっとたくさんの人に知ってほしいなという想いもあって。
三原 僕たちは、「さをり織り」をショップなどで販売をしていたり、河内長野市のふるさと納税の返礼品としても提供しているのですが、それでもなかなか自分たちだけで広げていくのが難しいなと思っていたので、『スバルフェス』を通して知ってもらえたり、羽曳野市のみなさんにも認知を広げていくキッカケになったらいいなと思って参加しました。
そのうえで、これを機にスバルさん、ふたかみさんと一緒に地域も盛り上げるような取り組みができたらいいなと。
実際に参加してみていかがでしたか?
三原 さをり織りで作ったピアスや雑貨を販売させていただいて、たくさんの人に知ってもらえるキッカケになりました! こうしてスバルさんや他の事業者さんと繋がりを持てて、これから一緒になにかできる関係になれたことがなによりよかったです。
山下 イベント当日は、スタッフも利用者さんもみんな普段とは違う表情ですごく新鮮でしたね。
利用者さん同士も交流を通して元気をもらえたところもあると思いますし、クッキーも盛況で完売したので嬉しかったですね。それに、スバルさんとかエイコーさんの出店を見て「こんなふうにしてるねや!」と、それぞれの取り組み方や仕事っぷりを見れたことがすごく参考になって。
どこをとってもおもしろくて、みなさん頼もしく見えたし、負けてられへんなと刺激を受けました。

さまざまな交流も生まれ、同じ福祉の業界で働く者同士の刺激にもなったのですね。
山下 そうですね、羽曳野には障害福祉の事業をやってるところが多いんですけど、昔に比べると交流が減ってきているんですよね。
コロナ禍もあり時代的にも閉鎖的になって個々の活動にシフトしてきていたところで、「フェスをやります!」と声をかけて一緒に取り組む先陣を切ってくれたことは本当にすごいことだなと思いますし、僕たちも一緒に高め合っていきたいなと。
三原 うちもスバルさんと同じく営利法人なので、共感することがたくさんあって。
地域と密接に関わりながら、ほかの会社さんを巻き込んでイベントを作っていくのってすごく大変なことだと知っているからこそ、積極的に取り組んでいるところに感化されたし、僕たちもそうでありたいなとすごく刺激になりました。
これからは河内長野にこだわらず、羽曳野市にも出て行ってどんどん一緒にいろんな取り組みをしたいなと思いましたし、南河内エリア全体にエリアも広げて盛り上げていきたいですね。
スバルさんにプレッシャーをかけるわけじゃないですけど、やっぱやり続けた上で、大きいことができると思うので。
山下 毎年の風物詩になったらいいですよね!




これを機に『スバルフェス』が地域のお祭りとして親しまれるようになったり、今度は山下さんや三原さんが音頭をとってイベントを開催されたり、さまざまな交流や繋がりが生まれそうですね!
最後に、福祉の現場に関心を持っている方や企業の方にメッセージをお願いいたします!
山下 他業種の仕事をしてきた僕だからこそ言えることがあるとすれば、福祉の仕事は様々な人が関わって化学反応が起こる、クリエイター要素の強い仕事だということ。
世間では大変なイメージがあると思いますが、決してそんなことはなくて、共に働く仲間と自分自身の心持ち次第で、楽しみ方もいろいろで世界が広がる仕事やと思っています。正解がひとつではない仕事だからこそ、自分なりの楽しみを見つけながら、どんどん新しいことにチャレンジできるひとつの選択肢として、この仕事にも興味を持っていただけたら嬉しいですね。
三原 ひとえに福祉といっても、介護に障がいなど関わり方は様々です。
四天王寺大学で講演をさせていただく機会があるのですが、その時に学生に伝えているのは「一概に『福祉をやりたい!』ではなくて、福祉の中でも何がしたいかを見つけて、その中で何を実現したいかを目指してほしい」ということです。
もちろん資格がないとできない職種もありますが、誰でも挑戦できる職種はたくさんあるので、この業界でなにか目指したい・実現したいことを見つけてほしいなと思います。
また、福祉を目指さない人には、もっとこの業界のことを知ってほしいなと思っていて。
というのも、福祉をビジネスにできる人たちが増えると絶対に盛り上がると思っているので。
たとえば、サッカーのJリーグに出場している選手のユニフォームは障がいを持った人たちが洗濯していたり、あまり知られていない福祉事業や活躍の場がたくさんあるんです。
もちろん、利用者さんを食い物にしてはダメですよ。
そうではなくて、人手不足の解消やビジネスとして成立する幅広い福祉の世界をたくさんの方に知っていただくことで、利用者さんの活躍の場が広がったり、社会との繋がりができたり、将来福祉の世界を目指す人が増えるキッカケになると思うので。福祉の本当の魅力を知ってほしいし、伝えていきたいですね。
山下 そうだよね。僕たちがつくっているクッキーも、さをり織りの雑貨もそうだと思うんです。
「障がいのある人が作ったもの」ではなくて、普通にどのお店に並んでいてもおかしくない、商品としてクオリティの高い物や独創性の高いものがたくさんあるんです。
フォーカスがあたっていないから知られていないだけで、障がいのある人たちが活躍している世界と社会を繋ぐ役割を、民間の企業や僕たち事業者が積極的に担っていきたいですね。



まさにスバルさんの理念に掲げられてる、「色とりどりの輝きが自然とひろがり、あちこちで『それ、ええやん!』がうまれるまちをつくります!」に繋がる取り組みですね!
今後の『スバルフェス』の開催だけでなく、これを機にさまざまな取り組みが生まれることを楽しみにしています!ありがとうございました!
スバルスタッフ 小林さんからのコメント
今回の『スバルフェス』を通じて、ふたかみさん、エイコーさんが大切にしていることや考え方を知ることができて本当によかったです。
みなさんスバルの根底にある想いと同じで、もっと喋りたい……!
イベントの準備で慌ただしくてなかなかゆっくり話すことができなかったり、当日もバタバタして反省がたくさんあるんですけど、刺激を受けたり、新しい繋がりが生まれたことはなによりの成果だと、今回のインタビューを通じて改めて感じました。
各事業社さんが取り組まれていることや、その背景、理念などをしっかりと知った上で作るイベントはさらにいいものになるはず!
もっとみんなが輝けるような場所にするために、必死のパッチになって次に繋げたいなと思います!
『スバルフェス』毎年やりたい!