SUBARU ワクワクで、未来を

Text by 大西健斗
Photography by SUBARU inc.

2026.02.01 「おもしろそう!」を原動力に意気投合
無人駅での出店に初挑戦!

さまざまな人にフィーチャーするfeat.〇〇。
今回は、新施設「ムカイノベース/320Lab.」として無人駅で出店するキッカケとなった南海電鉄の小坂さんと、スバルの青栁さん&小林さんが鼎談。
マルシェで小坂さんと出会い、意気投合したスバルのふたり。
初めて挑戦した無人駅での出店を振り返りながら、「それ、ええやん!」と楽しむ気持ちこそが「地域と福祉」を繋げていく活動に大切なのでは……というお話までじっくりトーク!

「ムカイノベース/320Lab.」南海電鉄の無人駅・大阪狭山市駅に出店!

南海電鉄の無人駅・大阪狭山市駅に出店

開催場所:南海高野線 大阪狭山市駅
(大阪府狭山市狭山四丁目2340番地1)
開催日時:2025年11月

南海電気鉄道株式会社

新会社開業準備部 小坂 孝さん

1967年生まれ、大阪府河内長野市出身。
大阪府立長野北高等学校卒業後、南海電気鉄道株式会社に入社。
高野線橋本駅で駅係員として勤務し、1994年に助役を拝命し、河内長野駅と橋本駅で勤務。
一方で、南海電鉄労働組合で代議員7年間、組合委員24年間務める。
現在は、本社の現部署で沿線地域の活性化施策に取り組む。
地域では、河内長野市消防団員として30年間活動中で、休日はボランテイアで、子どもの遊び場「あきち」のスタッフとして居場所づくりの活動をしている。
趣味は料理。

スバル・トータルプランニング株式会社

ディレクター/プランナー 小林 真由美 さん

1974年生まれ、大阪府大阪市出身。
四天王寺国際仏教大学(現四天王寺大学)短期大学部時代はボランティアクラブに所属し、障がい者と学生だけの外出や旅行の企画担当と責任者を務める。
卒業後は、グループホーム、入所施設で支援経験を積む。
スバルは今年10年目。ヘルパー業務や放課後等デイサービスを経て、現在は相談支援センターの管理者として勤務中。
また、ムカイノベースのプランナーとして「#地域を楽しむ地域と楽しむ」イベントの企画、実行に挑戦中。
趣味は水泳、登山、旬の野菜を使った料理、Mr.Children

スバル・トータルプランニング株式会社

リーダー 青栁 亮 さん

1987年生まれ、河内長野市出身。
四天王寺大学在学中にスバルでのガイドヘルパーアルバイトをきっかけに、知的障害者外出支援ボランティアに打ち込む。
卒業後、ふらっとした時期も経て「ご縁」に導かれるようにスバルへ入社。
現場の最前線から、ガイドヘルパー・生活介護それぞれの管理者を歴任し、現在は新規開設の「320Lab.」管理者を務める。
現場から色とりどりの輝きが自然と広がり、あちこちで「それええやん」が生まれる、そんな日常を増やしていくことが自身のミッション。
休日は子どもたちと全力で遊び、リフレッシュ。
趣味は音楽フェスへの参加。再び参戦できる日を心待ちにしている。

「無人駅を活用したい」「ご利用者さんが作ったものを広めたい」
想いが重なり、出店がその場で決定!

どのようなキッカケで、南海電鉄さんの無人駅でスバルが出店することになったのですか?

小林 昨年の9月に、河内長野で福祉事業をされているエイコーさんで『第15回 南河内スマイルフェスタ』が開催されまして、そこに「ムカイノベース/320Lab.」として初めて出店させていただいたんです。ちょうどその時期、『スバルフェス』で出店してくれる人がいないかなと探していたこともあり、いろんな方をご紹介していただいたり、ご挨拶させていただいて。その時に小坂さんとも出会ったんですよね。

小坂 そうですね。この日は、弊社の無人駅で出店してくださったこともある、河内長野のトリプルさんや富田林のメープル関西さん、それから会場となったエイコーさんがされているライフ&ワーク うららさんといった福祉事業をされているみなさんにご挨拶もかねて、個人的に遊びに行ってました。その時に、スバルさんとお会いして、その場で「無人駅で販売してみませんか?」と僕からお声掛けさせていただきました。

小林 そうそう、その場でもう誘ってくださって。

小坂 話も盛り上がって、小林さんは「毎日でも行きたい!」と言ってくださりましたね(笑)。

小林 さっそく行く気満々でした(笑)。

はじめましてで意気投合されたのですね!

小林 私たちスバルが考えていることや探し求めていたことが、小坂さんの提案してくれたことと合致して、すごく共感できたんですよね。

小坂 南海としては、無人駅を活用していただくことで地域を盛り上げたり、活性化していきたいという想いがあります。『南河内スマイルフェスタ』でスバルさんが出店されている様子を拝見した時、ものすごく元気があったので、きっと盛り上げてくれるに違いないと思ってすぐに声をかけさせていただきました。

小林 私たちは新しくムカイノベースができて、320Lab.でご利用者さんが作ったものをどうやって世に出していこうか模索しているところやったので。場所を提供してくださって、今までにない形で販売できることがとてもありがたい機会だなと。

青柳さんもその場で一緒にお話を?

青柳 僕もその場にはいたのですが、店番でいっぱいいっぱいで(笑)。この日はムカイノベース/320Labとして初めての出店だったこともあり、準備していったことがどれぐらい認められるかなという挑戦の日でもあったので、いつも以上にバタバタしてたんですよね。だけど小坂さんとの出会いもそうですが、たくさんご縁があったので大成功だったと思います。

無人駅での取り組みについて、南海さんではいつ頃から実施されているのですか?

小坂 取り組み自体はコロナが明けてからでしょうか。無人駅が十数年前から少しずつ増えてきたことで、周辺の活気がなくなってきてしまうという問題がありました。どうにか賑わいを生み出せないものかと考えていたところ、「無人駅で物販ができるとおもしろいのでは?」という話になり、当時住吉区にある無人駅の沢ノ町駅でお弁当の販売をしていただくことからスタートしました。駅の近くでお弁当を販売されているのを見かけた弊社の担当が、せっかくなので「駅で販売してみませんか?」と声をかけたんです。反響もあり次第にそういった取り組みも増えてきまして、2022年頃に課長と繋がりのあった福祉事業者さんにお声掛けしてご一緒させていただくようになりました。当初は3事業者ほどでしたが、今では80以上も登録していただいています。

小林 そんなに! すごいですね!

小坂 そうなんです。弊社としては駅や周辺の町に活気を生み出していただけるので、無料で場所をお貸ししていて、代わりに簡単な清掃だけお願いさせていただいています。事業所のみなさんにとっては、活動のPRに繋げていただいたり、ご利用者さんが作った物販を販売できて、さらには社会に参画していただくキッカケにもなる、とモチベーションになっているというお声もいただいています。なので、お互いにとってウィンウィンな取り組みなのかなと思っています。

駅前の清掃も販売をしながら行なっています。

今回、場所が大阪狭山市駅だったのはスバルからも近いからでしょうか?

小坂 それもあるのですが、大阪狭山市駅は比較的出店してもらうにば場所も確保しやすくて、人通りも多い駅なので出店していただくには最適な駅なので、よくイベントも行っているんです。地域の方にもそういった認知もいただけているので、初めて出店いただくにはここがよいかなと。

地域と福祉の接点が生まれ、賑わいが生まれると周辺に住まれているみなさんにとっても、事業所のご利用者さんにとってもワクワクする取り組みですね。

初出店にして大成功!? 新しい出会いもいっぱい

初めての無人駅での出店、振り返ってみていかがでしたか?

青柳 南海さんからのお誘いはとても嬉しかったのですが、自分たちでもこんなに早く良い方向に進むとは思ってなかったので、正直なところ自分たちにできるか少し不安もありました。というのも無人駅での出店が初めてなだけでなく、これまでたくさん事業所さんが集まるイベントでの出店はこれまで経験があっても、単独で出店すること自体も初めてやったんです。だけど、同じ福祉の事業所もよく出店してるというお話でしたので、そこは安心感もあり挑戦してみたいなと。大きな失敗がないように準備して、小さな失敗はたくさんして学びが得られたらと、とにかく「やってみよう!」のチャレンジ精神を大事にしました。

小林 南海さんに失礼がないようにと気をつけながらも、「大丈夫かな?」ってネガティブな気持ちはあまりなくって。とにかく勢いで挑戦できたと思います。

これまで出店してこられた経験を生かせると思うので、実践することはあまりかわらず?

青柳 そうですね。出店内容は変わらないのですが、どれぐらい、どんなものが売れるのかがわからなかったので、とにかく今あるもので準備して販売しました。

カラフルな手作りの看板が立っていたり、とても賑やかな販売ブースでしたね。当日の反響はいかがでしたか?

青柳 初回は勢いあまって、「もっとこれがあるとよかったな」と反省点がたくさんありました。それと、その日がすごく寒くて風が強かったこともあり、テントを立てるのを諦めたり、最小限の物販で挑んだためあまり目立たず、通りすがりの方にアピールすることに苦労しました。小坂さんがサポートで立ち会ってくださって、ほかの事業所さんはこんなことしていたよとアドバイスいただけたので、その場で調整しながらできたのでとても助かりました。

小林 今まではほかの事業所さんが集まるイベントに出店することが多かったから、見に来てくれるお客さんがうちで作った物販にそもそも興味を持ってくださっていたり、ご利用者さんと話すのを楽しみにきてくれたりと目的が一致していたんですよね。だけど、今回は通りすがりの町に住んでいる方や駅を利用する方がほとんどやから、心を掴んで立ち止まってもらうということが一番難しかったですね。

出店に参加されたご利用者のみなさんはどうでした?

青柳 初回ということもあり、販売なども慣れているメンバーで参加したのですが、呼びかけもしっかり声が出てて、みんな楽しんでくれていましたね。ただ本当に寒くて風がつよかったので、手作りのTシャツを吊るしたディスプレイが風でくるくる回ってしまうハプニングも(笑)。だけど、利用者さんがその様子を一生懸命に実況してくれたりしたのが楽しくて、寒さも和らぎました。

小林 ちょうど販売している場所から線路を挟んで向こう側にたこ焼きのお店があって。

ご利用者さんが初めは「クッキーいかがですかー!?」と宣伝してくれてたんですけど、たこ焼きのお店が目に入ったのか、途中から「たこ焼きいかがですかー!?」って大きい声で呼びかけしてたのも楽しかったね(笑)。

青柳 仲間が声を出したら、みんな一丸となって呼びかけしたりと頑張っている姿がとても印象的でした。帰ってからも「次、出店いつなん?」って聞いてきてくれたり、320Lab.で制作中に「どこで売るの?」と自分が作っているものに興味を持ってくれるようになったりして、本当にいいキッカケになったなと思います。

小坂 僕らも人が集まるかな、売れるかなと多少の緊張はあったのですが、とても元気に盛り上げてくれていて。風があまりに強かったので場所を変えてみたり、みんなで工夫しながらできてよかったですね。

青柳 立ち寄ってくれた方は、刺繍や染め物などのほか、クッキーを手にとってくれる方が多かったですね。そこでスタッフがお話しながら普段取り組んでいることを紹介したり、ムカイノベースのパンフレットをお渡ししたりできたのもよかったなと思います。

小林 ご高齢の方がムカイノベースのことを知ってくださっていて、パンフレットをもらいに来てくださったりしてうれしかったですね。

青柳 この日にパンフレットを受け取ってくれた方が、後日ムカイノベースに来てくださったんです。それもクッキーを買いに来てくれて、作ってるご利用者さんもすごく喜んでました。それを聞いて、本当に嬉しかったですね。

それはすごく嬉しい反響ですね!

小坂 初めてお会いした時、盛り上げてくださるに違いないと確信していましたが、そこまで素敵な縁が生まれるとは……。南海としても、僕個人としてもとても嬉しいです!

これからも継続的に開催を予定されているのですか? 今後は他の無人駅でも出店されたり。はたまた、今度はムカイノベースで南海さんと一緒にイベントを企画されたりと展望も広がりますね!

青柳 3月末までは月2回の出店をさせていただく予定です。余裕ができたら、いろいろまたご一緒にチャレンジしたいですね!

小林 またなんかご一緒したいね!

小坂 さっそく別の事業者さんとスバルさんが合同で大阪狭山市の駅で出店していただいたりと取り組みも発展しているので、どんどん新しい繋がりを生み出していけたらいいなと思いますね!

「おもしろそう」「楽しそう」の先に、地域と福祉の接点が生まれる

今回は、南海さんとスバルとの出会いから、無人駅での出店に繋がり、早くも嬉しい反響があり……と、とても順調に進んだ事例になったと思うのですが、こういった地域と福祉が接点を持つ取り組みはなかなか難しい社会課題でもあると思います。今後も地域と福祉が繋がっていくキッカケを生み出していくに当たって、どういったことが大切だと思いますか?

小林 「おもしろそう」やと思ったら足を運んだり情報を集めて、まずはやってみることが大切やと思います。会議を重ねたり大義名分を掲げて取り組む前に関心を持つこと、実践してみることが大事。今回のように南海さんと「おもしろそう」「やってみよう」という話から取り組んでみた先に、地域と福祉の繋がりが生まれるかもしれない。結果を求めるよりもまず、キッカケが大事やと思いますね。

青柳 スバルが会社の理念を見直した時に、これから地域との繋がりをより大事にしていきたいと考えていたところ今回のご縁がありました。今まで福祉の世界で働きながら、地域と繋がる機会って本当に少なくて……。どうすればいいのかもわからなかったんですけど、小林さんの言う通り「これ楽しそうやん!」という気持ちでマルシェやお祭りに参加するという挑戦をしたからこそ、南海さんとのご縁にも繋がったと思います。今回の経験が糧になって、他の取り組みに発展していけるキッカケになったと思うので、これからも「地域と繋がること」を意識しながら、どんどん挑戦していきたいですね。

小坂 南海は鉄道会社ですので、安全・安心が最も重要なんです。だけど、その上で僕は「楽しもう」ということをとても大切にしています。小林さんと同じように、僕もおもしろそうやと思ったら、まずはやってみたい。考える前に行動する性格なんです。僕は会社の中でも変わっていると思われているのか、上司のサポートで自由にさせてもらえているので、その分しっかりと地域と福祉を繋げていくキッカケを作れたらなと思っています。

小林 南海さんの他の社員さんが言ってましたよ、小坂さんは「変わってる」って(笑)。

小坂 僕、若い時から割とこういう性格なんですよ(笑)。昔から幼稚園の卒園児の会で会長を任されたり。地元のお祭りの手伝いとか、消防団に入ったりと地域活動が好きでいろんなことさせてもらっていて。今は子どもの居場所を作る活動に取り組んでいたり、仕事だけでなくプライベートでもいろいろさせてもらっているんです。いろいろ考えたり会議を重ねたりするより、まずは「楽しそうやから、一回やってみよう!」と。どれも自分がやってて楽しいから、やらせてもらっているだけなんです。

小林 「おもしろそう」「楽しそう」という気持ちで人と人が繋がって、一緒になにかができたなら、もうそれが「地域」やと思うんです。だから、「地域と福祉を繋げよう!」と狙って動くより、私もまずはおもしろい、楽しいと感じたその気持ちが大事やと思ってます。

青柳 320Lab.としては、この成功体験を自信に繋げて、自分たちが主体となってマルシェやフェスを開催したいなと思っています。大変なこともたくさんあると思いますが、みんなでやってみたいねと話していることのひとつなので叶えたいですね。また、他の事業者さんと一緒にお祭りができるといいなとも話しているので、どんどん実現していきたいなと思います。

小坂 南海にはまだまだたくさん無人駅があるので、スバルさんはもちろんのこと、いろんな事業者さんとの繋がりを生かして、これからもマルシェなどイベントを開催してみたりと取り組みを広げていきたいなと思っています。

小林 私もいろんな方とお話をさせていただく中で、「こんなことやりたいって言ってたな」「あの人と気が合いそうやな」と思ったらどんどん繋げて、一緒にいろんなことやっていきたいです! これからもよろしくお願いします!

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