SUBARU ワクワクで、未来を

看護部 リーダー

今井 章子

堺市の急性期病院(循環器内科・心臓血管外科など)で長年勤務。家族の看取りやコロナ禍での医療への疑問を機に、地域に「小さな困りごと」を解ける拠点を作るべく地域医療のフィールドへ。
大切にしている看護観は「優しさ」と「選択肢」。健常者も障がい者も、本人と家族が医療や生き方を「選べる」ように、ケアマネジャー試験に挑戦しながら、医療・障がい・地域を繋ぐハブ(拠点)体制を目指しています。

 “その人らしさ”を支える訪問看護

病院勤務で培われた基盤

――これまでのご経歴を教えてください。

堺市の急性期病院で長く働かせていただいていました。最も長いのは循環器内科・心臓血管外科の混合病棟で、消化器内科、リハビリ科、外来でも経験させていただきました。患者さんのために全員が一つのチームになってやり切る一体感が楽しかったです。とても忙しい現場でしたが、勉強会や講習会にも行くことができて、仕事に打ち込むことができるなど、やりたいだけ出来る環境でした。

学びは「しんどさの先にある楽しさ」

――学び続ける原動力は?

「知らないことを知る」のが純粋に楽しいです。今はケアマネジャー試験を受けて、実習研修中なのですが、全然知らなかったことを知ることができます。朝から夕方まで講義を受けられて楽しかったです。しんどいですが、しんどさありきの楽しさです(笑)。

その先に“わかる”瞬間がある。読書も好きで、仕事の知識として読む本と、ミステリーなど頭をリフレッシュする読書の両方を大切にしています。

看護師になったきっかけ

祖母が「看護師になりたかった」と話していたこと、そして進路に迷っていた時に看護師を志す友達がいたことがきっかけでした。職業を調べるうちに自分も目指したいと思うようになりました。

看護学校の実習時代は「一生戻りたくない」ほど厳しくて辛かったですが、それでも“知らないことを知れる”楽しさがありました。

訪問看護へ向かう理由

――訪問看護に関心を持ったきっかけ

家族の看取りの経験や、コロナ禍で「入院できない」「点滴も難しい」といった現場に触れ、「どういうシステムなんだろう」と強い疑問が芽生えました。

もっと良い方法があるんじゃないか?もっと知りたい、勉強したいと思っちゃって、この地域に“小さな困りごと”を解ける拠点があればと考えるようになりました。

そんな時に、ちょうどスバル・トータルプランニングの半田会長と佐藤社長と出会い、お話させていただいたら、受け入れてくださり、訪問看護ステーションを立ち上げることになりました。

在宅医療のおもしろさ

病院ではどうしても時間や役割が分かれ、目の前の処置を優先せざるを得ない場面がありますが、訪問では一対一で、生活全体を見渡しながら、じっくり関わることができます。

できることをあえて手伝う“甘やかし”が、本人の尊厳や安心につながる場面があります。

たとえば気分転換に車いすを勧める、いつもより少し手厚く手順を添える——一対一なら、その瞬間の感情や疲れに合わせて、最適な距離感を選べます。大切なのは、目の前の1分でなく、生活全体で何がプラスになるかを一緒に考えることだと思います。

看護観:「優しさ」と「選べる医療」

――大切にしている価値観は?

主に、新人や社内でつまずいた人を受け持って、社内のさまざまな仕事とその人の強みをマッチングして調整したり。産休や育休、体調不良や急な退職で人手が不足したところに、その仕事に適任のエリアメンバーを派遣して補う役割を担ってます。

その人「らしさ」を支える

「人生の最後は家族と一緒に過ごしたい」「ここへ行ってみたい」。余命を知らされた後でも、本当の気持ちを引き出し、一緒に形にしていきたいです。

実現のためには、看護師だけでなく、医療・介護・支援職、家族、地域をひとつの地図でつながる必要があります。情報と責任を分かち合い、私たちが一つのハブとなって伴走する体制を目指しています。

障害のある方の医療アクセスを深めたい

――これから特に取り組みたい領域は?

重症化してから初めて利用するケースが多いと感じます。予防の観点で早めに関わることが大切で、日々の小さな不調や生活の困りごとから専門職へスムーズにつなげられる入口も整えたいです。

組織づくり:学びの共有と支援

――一緒に働く人のために、どんな職場を?

「優しさ」と「知識」の両輪でスタッフを支える職場づくりをしていきます。困っている人を自然に助けたいと思える人、知識で人を守れる人を増やしていきたいです。看護系の研修は費用や時間の負担が大きいのですが、会社のサポートやオンラインの研修などを活用し、“義務ではなく楽しみ”として学べる環境にしたいです。

求める人物像

――どんな人と働きたいですか?

「困っている人を助けたい」という気持ちが自然に湧く“優しさ”のある人。スキルは後から伸ばせます。楽しく、誠実に、その人らしさ、尊厳を大切にできる仲間と場をつくりたいです。

訪問看護を無理に勧めません。それぞれに背景とタイミングがあります。けれど、“その人らしさ”にじっくり向き合いたい方に、訪問看護はきっと大きなやりがいがあると思います。まずは気軽にカフェにお茶をしに来てください。

最後に

障がい者福祉に尽力し、このすべての『できごと』や『出会い』をつくる『キッカケ』をくれた故義父今井利三に感謝しております。

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